従業員管理の基本

就業規則の作成

事業所の形態を問わず、パートタイマーやアルバイトを含め常時10人以上の労働者を使用する使用者はこれらの短時間労働者を含め、全ての従業員に適用される就業規則の作成義務があります。
大多数のネットショップはこれに該当しないと思いますので、特に堅苦しく考える必要はありませんが、就業規則は信頼感の醸成や意欲、目的意識の向上に効果があり、職場選択の目安になります。
一般従業員と異なる労働形態であれば、別途にパートタイム労働者就業規則の規定例をご参考にしてください。パートタイム労働は一般従業員とは異なる短時間勤務の労働形態であることから、雇い入れ後の労働条件に疑義が生じやすく、トラブルになることも少なくありません。
雇用の際は特にトラブルの原因となりやすい3つの事項に関し、文書交付などによる明示義務がありますが、これらは労働基準法施行規則第5条に記載されてます。

  • 労働契約の期間
  • 就業場所及び従事すべき業務に関する事項
  • 始業・終業時刻、所定労働時間の有無、休憩時間、休日、休暇に関する事項
  • 賃金の決定、計算及び支払方法、締切り及び支払時期、賞与の有無など
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
  • 昇給、退職手当、賞与の有無に関する事項

以上の事項は書面の交付により労働者に必ず明示する必要があります。
その他の事項に関する定めがある場合も明示する必要がありますので、後日のトラブルを未然に防ぐ書面による労働条件通知書の交付が求められます。
適正な就業規則は就業規則作成の9つのポイントをご参考にしてください。また、厚労省のサイトからも労働基準法やパートタイム労働法に関連する各種様式をダウンロードできるので、ご利用ください。
特に期間を定めた有期労働契約を更新しない場合は少なくとも契約期間の満了する日の30日前までの予告とその理由について証明書を請求された場合、遅滞なくこれを交付しなければならない点に留意する必要があります。ただし、契約時に契約更新しない旨を明示されている場合を除きます。

就業規則作成の利点

就業規則は会社を労働環境を統制するためのツールであり、また会社を守るためのツールでもあるので、社員数に関わらず、設立当初に作成しておくことが大切です。

  • 長期欠勤者の退職に関するトラブルを防ぐ
  • 私傷病や精神疾患などによる長期欠勤社員をトラブルなく退職させることができます。就業規則において、長期欠勤時の会社の対応が定められていれば、それは労働契約の一部となるので、実際に長期欠勤が発生した場合、就業規則に定められた手順に従って休職をさせた上、休職期間が満了しても復職ができない場合には、契約上当然に自然退職扱いにできます。
    就業規則に定める文言を工夫すれば、出勤と欠勤を繰り返す社員や心身が不安定で出社をしても労務の提供が不完全な社員についても、同様に「休職→退職」の手順に従わせることができます。
    逆に就業規則がなかった場合は、退職のタイミングや復職の可否を巡って労働者と使用者の間で争いが生じ、最悪の場合には不当解雇訴訟に発展する恐れが生じます。もしこの不当解雇訴訟で会社が敗訴した場合には、多額の賃金補償をも覚悟する必要があります。
    また、社員が欠勤している間も社会保険料の支払は引き続き必要なので、解雇又は退職が確定するまでの期間は保険料の負担が続き、復職するかしないかの曖昧な状態では、後任者の採用すら難しいのですが、休職期間満了で自然退職となれば、直ちに社会保険料の支払はなくなり、後任者の採用も計画的に行うことができます。

  • 最低限の道義的配慮を無視する一方的な退職に歯止めをかける
  • 一方的な自己都合退職の抑止に効果があります。この一方的な退職とは、ある日突然退職を申し出て、最低限の引継ぎも行わない場合のことを指します。一般的に意識されていませんが、自己都合退職には、「合意退職」と「辞職」の2種類があります。
    合意退職とは、社員からの退職申出に対して、社員と会社で退職日を調整し、双方の合意を得た上で成立する自己都合退職を言い、円満退職とも言います。もう一方の辞職とは、法律上の権利として一方的に社員が申出ることによって成立する自己都合退職であり、例えば、時給制で契約している社員であれば、辞職の申出から14日経過後に法律上当然に辞職が成立します。
    会社としては、後任者の採用や引継ぎの手間を考えると、2ヶ月くらい前には退職の申出をして欲しいので、社員が辞職ではなく合意退職の形で退職してくれることが望ましいと考えます。この点、辞職は法律上の権利なので、就業規則を作成しても排除できませんが、就業規則を作成する際に同じ自己都合退職でも、合意退職者と辞職者の退職条件を差別化することで合意退職へ誘導することも可能です。
    具体的に言えば、退職金のある会社ならば、同じ自己都合退職でも、合意退職者よりも辞職者の退職金を少なくすることができます。退職金がない会社の場合は、退職時点で残っている有給休暇を合意退職者は買取るが、辞職者は買取らないなどで退職条件に差を付けることが可能です。
    また、合意退職や辞職にかかわらず、引継ぎを行わない場合は懲戒処分を行う規定や退職金を減額すると言った規定も効果的です。これらの措置は引継ぎに配慮せず、退職の申出と同時に有給休暇の消化だけに関心があるような社員に対する牽制にもなります。
    さらには、「退職時の最後の賃金及び退職金は会社の判断により手渡しで支給する場合がある」という規定も効果的です。電話やメールで一方的に退職の意思を告げ、以後の出社に応じない社員や会社からの貸与物を返却しない社員を賃金や退職金を「人質」に出社させるためのものです。

  • 就業規則がなければ懲戒処分はできない
  • 一般的に社員が不正行為を行った場合や勤務態度が不誠実な場合、懲戒処分を行いたいと考えますが、法律に違反しなければ刑罰を課せないのと同様に就業規則に違反しなければ懲戒処分はできません。
    つまり、就業規則がない会社は法的には始末書を書かせることさえできないのです。始末書はまだしも、就業規則がないまま懲戒処分を行った場合に実務上の問題となるのが、減給の制裁や降格処分に付随する賃金カットです。処分された社員から、就業規則に根拠のない賃金カットは無効であるとして、未払い賃金の差額精算を請求される可能性があるほか、懲戒解雇を行った場合も不当解雇となる恐れがあります。
    また、懲戒規定を定めることを別の視野から見ると、「こういうことをしてはならない」と言う経営者の考えを反映させることで、社員に対する意識付けに連結できると言えます。
    例えば、無事故を重視する運送業の会社では交通違反に関しては「公私を問わず」厳正に処罰することとし、また、女性社員の多い会社では母性保護のために事業所内を完全禁煙とするなど、会社の特性に応じて定めたり、処分を重くするなどが可能です。

  • 就業規則で自社に見合った有給休暇日数を付与する
  • 有給休暇の付与日数を企業規模に見合った日数に実務的に調整することができます。有給休暇は法律上の権利なので、社員から申出があった場合には原則として取得させなければなりません。しかし、少ない社員でやり繰りしている零細企業は法律の定める有給休暇を最高20日も付与することは事実上難しいと言わざるを得ません。
    そこで、労使協定を結べば会社が定めた日に5日を超える部分の有給休暇を取得させることができる「有給休暇の計画的付与」と言う制度を活用する方法があります。例えば、当初から土日祝日を所定休日と考えている会社であれば、就業規則上の所定休日は土日だけにして、祝日は「有給休暇の計画的付与日」とする方法です。こうすれば、「土日祝日」は不就労日にすると言う目的を達成しつつ、祝日のたびに有給休暇が自動的に減少していくわけですが、制定後に就業規則を社員にとって不利益に変更することは困難なので、初めから有給休暇の計画的付与を前提とした就業規則を作成することが重要です。
    就業規則の作成と同時に、締結が必要となる労使協定についても、社員の過半数代表者の署名または記名押印が必要なので、設立間もない時期であれば、同意を得ることはさほど難しくないでしょう。
    会社の規模が大きくなり、様々な価値観を持った社員が混在するようになったら、有給休暇の計画的付与を事後的に導入することは実務上非常に困難であるからこそ、会社を設立したばかりのときに、就業規則を定めておくべきなのです。
    「ヒト」・「モノ」・「カネ」を含めた経営資源に余裕のない中小企業では、1人の社員の身勝手さが大きな経営リスクになることも充分考えられます。また、就業規則が未整備なことに目を付けたモンスター社員が確信犯的に会社に迷惑を引き起こすような事件が発生することにも用心が必要です。

    高齢者の継続雇用

    急速な高齢化の進行に対応し、高年齢者が少なくとも年金受給開始年齢までは意欲と能力に応じて働き続けられる環境整備を目的に高年齢者雇用安定法ガイドブックが発行されています。この一部改正は定年の65歳への引上げを義務付けるものではありませんが、定年後も引き続き雇用する「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止などを内容としています。
    この法律は事業主に定年の引上げや継続雇用制度の導入などの高年齢者雇用確保措置を講じる義務を課しているため、当分の間、60歳以上の労働者が生じない企業も定年の引上げ、定年の定めの廃止、希望者全員を対象とする継続雇用制度の導入などを講じる必要があります。
    賃金が低下した高年齢従業員に低下した賃金に応じて給付金を支給し、雇用継続を図る高年齢雇用継続給付は次のすべての要件を満たす必要がありますが、60歳到達月から65歳の到達月まで、最大5年間支給され、60歳到達時賃金の61%以下の場合、最大で支給対象月賃金の15%が支給されます。

    1. 雇用保険の一般被保険者又は高年齢継続被保険者であること
    2. 原則として、被保険者であった期間が通算して5年以上あること
    3. 60歳到達時賃金と比較し、60歳以後の賃金が75%未満となっていること

    雇用期間の定めなき正社員から嘱託やパートなど従来の労働条件を変更する形での雇用は可能です。

パートタイマー採用のポイント

いい人がいたら、採用したいと考える経営者は多いのですが、ハローワークなどに登録する程度の姿勢では、期待する人材が応募する確率は非常に低いのが現状です。
自社に必要な人材を見極めず、社内の合意形成を怠るとせっかくの費用と手間が無駄となってしまいますので、採用時には、次のポイントに留意する必要があります。

募集計画を作成する

必要とする人員、仕事内容、能力、スキル、処遇や募集方法、募集先、募集費用などを具体的に検討し、増員効果の期待できる計画書を作成します。
採用には価値観の同質性やコミュニケーション能力を重視することが多いのですが、職種によっては、職場環境のマンネリ化を排し、事業活動の活性化の図る媒体や添加剤的な働きをする人材も必要です。個性的な人材を使いこなすことは、経営者の度量や能力の評価にもなります。
現況の人員配置が適正であるかどうかを検証するには、一般に飲食業界での労働生産性のモノサシである人時売上人時生産性などの指標があります。人時売上は時間別や日別に把握することで、繁忙時と人員数の適正化を図るのみならず、人件費率の管理にも有効な指標です。

人時売上と人時生産性のシュミレーション
月売上 月人件費 月労働時間 時間
人時売上 平均時給 人件費率 %
粗利益率 % 人時生産性 目標人件費率 %
目標人時売上 円/時間 目標人時生産性 円/時間

募集内容を明示する

労働条件通知書に記載される労働条件は勿論のこと、経営者のメッセージを募集広告の閲覧者に広く訴求することが大切です。特に主婦層を対象とした学校や子供の病気に配慮する旨の処遇は魅力的です。

応募者も選択する権利がある

面談で事業所も選択されているとを認識する必要があります。特に小企業の場合は経営者個人も逆に面談の対象とされます。心得て置くべき絶対してはいけない質問がありますので、面談に不慣れな方はくれぐれもお気を付けください。

  1. 本籍地、具体的な出身地
  2. 信条、宗教、支持政党など
  3. 家族の勤務先、収入、住宅事情、資産負債など本人以外に関する状況

なお、不採用になってもお客様になる立場の人ですので、応接には十分な配慮が望まれます。特に履歴書は個人情報の塊なので、不採用通知と一緒に必ず返送する気遣いが必要です。

日頃から働きたいと思う事業所づくりに努める

  1. 初めての電話やメールでの応対は応募者にとって不安です。迅速、丁寧、親切を指針に社内の共有情報として応対内容を確認して置くことが大切です。
  2. 従業員の顔の表情が明るく、行動がキビキビしており、整理整頓のできている職場の雰囲気は人間関係の良好さも表します。第一印象は特に重要ですが、パートさんは賃金より働きやすい職場を選ぶ傾向があります。

パートタイマーの人財化

モチベーションは「やる気」を表す場合が多いのですが、本来は「動機づけ」を意味し、行動を積極化する要因そのものを指します。人はそれぞれ働く主目的が異なることから、働く原動力となる動機の自分の能力を活かしたい、もっとお金が欲しい、仲間と共感したい、社会活動に参加したいなどの優先度を把握し、これらの動機が最大限に活性化されるよう、個別に対応する必要があります。

パートタイマーの戦力化

戦力化には、正社員と同様に地位、教育、評価の適正化が重要です。中でも公正な評価は動機づけの維持、高揚に不可欠である一方、必ずしも働きやすい職場環境と生産性の高い職場環境が一致するわけではありませんので、これらのバランスに配慮することが求められます。

能力を向上させる人格と行動

性格や人格でなく行動や事実を具体的に示し、良い点を見つけて褒めるとともに、悪い点を指摘して改めるよう諭すことが大切です。怒られたと感じさせずに理解させることが肝要であることから、日頃の観察から良い点を見つけておくことが後々役立ちます。

お客様が育てる

  • お客様にお褒めの言葉をかけられる。
  • お客様に必要とされる。
  • お客様のお役に立てられる。
  • お客様に愛される。

第三者であるお客様の客観的な評価が目に見える形で実感できてこそ、自信ややりがいを持てるのです。

労働時間と賃金

年次有給休暇

使用者は6ヶ月以上継続勤務し、その所定労働日数の8割以上出勤し、週間労働時間が30時間未満で所定労働日数が週4日以下のパートタイム労働者については、その所定労働日数によって、次の表に掲げる年次有給休暇を比例して付与しなければならないことが労働基準法で義務づけられています。
また、年次有給休暇の請求権は基準日に発生し、未消化の年次有給休暇は2年で時効になりますが、翌年度に限り繰り越しできます。
年次有給休暇に対する賃金は平均賃金又は通常の所定労働時間を労働した場合に支給される賃金です。

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年次有給休暇の付与違反は6ヶ月以下の懲役又は30万以下の罰金になります。
この罰則は「請求を拒否しないと罰則が成立しない」ので、実際に有給休暇はありませんと説明しても直ちに違法行為とは言えません。なお、法定内の年次有給休暇を買い上げることは例え労使合意の上であっても違法ですので、ご注意ください。

週所定労働日が5日以上又は1年間の所定労働日が217日以上の一般従業員

継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

週所定労働日が4日又は1年間の所定労働日が169日~216日のパート労働者

継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
付与日数 7 8 9 10 12 13 15

週所定労働日が3日又は1年間の所定労働日が121日~168日のパート労働者

継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
付与日数 5 6 8 9 10 11

週所定労働日が2日又は1年間の所定労働日が73日~120日のパート労働者

継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
付与日数 3 4 5 6 7

週所定労働日が1日又は1年間の所定労働日が48日~72日のパート労働者

継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
付与日数 1 2 3

本来、年次有給休暇は使用者が時季変更権を行使しなければ、自由に取得できるものですが、従業員の過半数を代表する者との労使協定を締結すると各従業員が有する有給休暇のうち5日を超える部分の計画的な付与や年間5日分を限度に時間単位での取得も認められています。

時間外労働の割増賃金

時間外、深夜に労働させた場合は2割5分以上、法定休日に労働させた場合は3割5分以上の割増賃金を支払わなければなりませんが、割増賃金の計算の基礎となる賃金に家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金などは算入する必要がありません。
この計算の基礎になる賃金に含まれるかどうかは、名称ではなく実質的な内容で判断され、例えば「住宅手当」という名称であっても、全員に一律、定額支給されている場合などは割増賃金の計算の基礎に算入しなければなりません。
なお、法定休日とは使用者に義務付けられた1週間に1日又は4週間に4回の休日を言い、1日8時間以内、1週40時間の労働時間であれば、週休2日制にする必要はなく、時間外労働が発生することはありません。

時間外(法定外休日)労働の割増率

法定割増賃金率の引上げは月間単位の時間外労働が対象なので、休日労働35%と深夜労働25%の割増賃金率の変更はありません。(改正労働基準法のあらまし)
深夜の時間帯に月60時間を超える時間外労働を行わせると、深夜割増賃金率25%+時間外割増賃金率50%の75%になる場合もあります。
従業員の過半数を代表する者との労使協定により、月間60時間を超える従業員に対し、50%の割増賃金の内の引上げ分である25%に相当する有給休暇を付与できます。
例えば、70時間の残業をした場合、対象となるのは10時間ですが、この10時間の25%相当分は有給休暇として認められる部分なので、時間数は2時間30分になります。

付加金の支払い

裁判所は次の規定に違反し、支払うべき賃金を支払わなない使用者に対し、労働者の請求により、使用者が本来支払うべき金額の未払金以外に、これと同一額の懲罰的な付加金の支払いを命ずることがあります。(第144条)

  • 解雇予告手当(第20条)
  • 休業手当(第26条)
  • 時間外・休日・深夜労働の割増賃金(第37条)
  • 年次有給休暇中の賃金(第39条)

労働者が口頭や文書で請求しても解決しない悪質と判断される場合は所轄労働基準監督署に申告し、最終的に裁判所を介して事業所へ支払命令を出すことができます。
未払金の算定法などに問題がなければ、支払う必要がありますし、年利5分の利息も請求できます。ただし、この請求の時効は違反のあった時から2年以内です。

通勤手当の非課税枠

通勤手当は他の諸手当と異なり、非課税部分があります。そのため、支給総額が同額となる場合であっても、雇用時の基本給部分を減額し、例えば週3日以上のパートタイマーには、通勤手当を制度として別支給する方が有利になることがあります。
所得税の非課税枠103万円以内の労働時間数に調整する必要のある場合は少なくとも、非課税通勤手当に相当する時間分を働くことができます。
特に、経費がかからない自転車通勤者の場合は利点のある非課税枠です。通勤手当の支給は従業員に感謝され、モチベーションの向上に繋がるので、ご活用ください。

区  分 非課税となる月額
自転車・バイク・自動車などの交通用具や有料道路を利用する人に支給する場合
(最高限度10万円)
通勤距離の片道45km以上 24,500円
35km以上45km未満 20,900円
25km以上35km未満 16,100円
15km以上25km未満 11,300円
10km以上15km未満 6,500円
2km以上10km未満 4,100円
2km未満 0円
バス・電車などを利用する人に支給するバスカード・定期乗車券などの購入代金 100,000円

源泉徴収税額表の例】

月額賃金 ~87,999円 ~88,999円 ~89,999円 ~90,999円 ~91,999
通勤手当不支給の源泉徴収税 0円 130円 180円 230円 290円
通勤手当4,100円支給の場合 0円 0円 0円 0円 0円

広島県の最低賃金

賃金は最低賃金法に基づき国が最低限度額を定めています。しかし、事業所の規模や形態、業種と無関係に最低賃金以下の額を労使合意で定める実態があります。
この場合、法律によって無効とされ、最低賃金額と同額を約定したものと法的に見なされ、最低賃金未満の賃金を支払った場合は最低賃金額との差額を支払う法的な債務が生じます。
ただし、一般労働者と労働能力などが異なる労働者には、最低賃金の適用除外が認められる場合があります。これには、使用者が所轄労働基準監督署に最低賃金の減額特例許可申請書を提出し、個別に許可を要します。

広島県の地域別及び産業別最低賃金

広島県適用 職種・業種 時間額 発効日
地域別最低賃金 年齢・性別・雇用形態を問わず、全労働者に適用 719円 平24.10.1
産業別最低賃金
各種商品小売業の場合 780円 平23.12.31

なお、各種商品小売業は衣食住商品を全般的に小売するデパートやスーパーを指します。最低賃金一覧表を必要な場合は広島労働局のサイトをご覧ください。

最低賃金の対象となる賃金

最低賃金の対象とされる賃金は毎月支払われる基本給と諸手当の賃金に限られます。これらの賃金に営業手当などが含まれ、以下の賃金は最低賃金の対象から除外されます。

  • 精皆勤手当、通勤手当、家族手当などの一般的な諸手当
  • 臨時に支払われる賃金(繁忙手当、誕生日手当など)
  • 賞与などの1ヶ月を超える期間毎に支払われる賃金
  • 時間外割増賃金などの所定労働時間を超える期間の労働に対して支払われる賃金
  • 休日割増賃金などの所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金
  • 深夜割増賃金などの午後10時から午前5時迄の通常労働時間を超える間の労働に支払われる賃金

最低賃金の確認方法

支払賃金が最低賃金以上であるかどうかは、支払賃金額と適用最低賃金額を次の方法で比較しますので、時々ご検証ください。

  • 時間給の場合は支払時間給≧最低賃金額であればOKです。
  • 日給の場合は日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金であればOKです。
  • 週給や月給などは賃金を時間当りの金額に換算し、最低賃金と比較します。
    月給額×12ヶ月
1. ───────────≧最低賃金額
   年間総所定労働時間
  

  110,000円×12ヶ月
2. ──────────=687.5円≧最低賃金額
   240日×8時間

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