消費者の本質

誤解を恐れずに言えば、消費者は気まぐれ、自己中心で行動し、販売価格に不信感を抱き、適正な儲けすら納得できない人が大多数です。派手な遊びを自粛し、お店の生活は来店客層の生活水準並みで、やっと理解を得られ位なのです。このように儲かっていないフリをするお店の多くは単に税務署対策だけではありません。
元々、個人のお店が最初から顧客志向の店づくりなどの理念を実践することに無理があります。実際は貧すれば鈍するの諺があるように、生活の安定確保があってこそ、実践できるのです。利益は心の余裕とお客様への感謝が生まれる源泉です。
消費者の自己中心的な利益は価格一辺倒ではなく、有形無形の広い意味での経済的、感情的な利益が含まれるので、その点に活路の余地があります。

  • 商品情報以外に関連情報や地域情報を積極的に提供する(SNSで人のウワサ話は絶対ダメ!)
  • 防犯巡回や地元消防団、町内会、子供会に積極的に参加し、地域社会に役立つこと
  • お客様が息抜きや気分が晴れるよう話を聞いたり、笑顔を絶やさないよう心掛ける
  • 敵をつくらず、人間的な魅力を高めるために日頃から努力する
  • 趣味や特技を生かし、人間関係の拡大や親密化に利用する

お客様は人である以上、感情的でもあるので、GNPに弱いと言う特質を利用する場合もあります。義理と人情に弱いとされる日本では、米国の社会心理学者のロバートBチャルディーニの6つの原理が参考になります。

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商品に価格競争を持ち込まず、以上のような価値を付加し、少なくとも他店と比べ安くはないが、高くもない値頃感に納得されるよう努力することがポイントです。
個人のお店は最初から、お客様に高いと思われると勝負になりません。ネットショップは価格比較が容易なので、付加価値の発見や創造は売上を左右する鍵になります。
例えば、コンビニ店は時間的な利便性が集客能力の源泉と言われますが、駐車場の回転時間が短いのですぐ駐車できる、商品を探しやすいので、短時間で買い物できる、トイレを使用できる、フランチャイズのため店長の異動がなく、フレンドリーな接客と併せ地域の事情に精通しているなどの利便性以外に小食者向け惣菜の販売、配達サービス、地域の防犯、雇用などの社会的な付加価値さえ、認知されるようになりました。

お客様から怪物に豹変する消費者心理

人は無意識のうちに安いものには安い理由を、高いものには高い理由を詮索する習性があり、安い商品やサービスに対してはネガティブな理由を探そうとするので、些細なことがクレームにつながることがあります。
一方、高い商品やサービスに対しては、よい部分を無意識に探そうとし、あれこれと理由づけして思い込むことからクレームにつながらず、信頼度が高まる傾向にあります。
つまり、価格が安くなればなるほど、人は一方的に悪い部分をあら探しし、クレームをつけがちになるのです。他店との価格競争が激化し、サービスが過剰になるほど、お客様のクレームが増えるようです。
そもそも、バーゲンハンターと呼ばれる人、クーポンなどの割り引きサービスやキャッシュバックを目的とするお客様は本来の価値に見合う正当な価格を売価と思っていないのです。
割り引き後の価格が本来の売価だと思っているわけですから、買い物自体に100%満足しない、些細なことに不満を感じる、不満が怒りに転じてクレーマーになりやすいなど感情に押し流されやすいのです。
お客様は無意識にお店や商品に次のような感情を持つ場合があります。これらの感情に対し、感情で対応することは、一歩間違うと怒りを増大させる要因となりますので、平易な言葉で且つ論理的な対応が望まれます。

  • 不満に対し、商品やアドバイスで解決する
  • 不安に対し、オリジナル商品やお店のブランディング化を強化する
  • 不信に対し、商品情報や価格の根拠に自信を持つ
  • 不審に対し、承諾なき個人情報は利用しない、削除要請は迅速に応じる

ハインリッヒの法則

この法則は1:29:300の法則とも呼ばれます。これは1931年に米国損保会社在籍のH.Wハインリッヒが労働災害の発生確率を分析したもので、それによると1件の重大災害の背後に29件の軽傷災害があり、更にその裏には300件のヒヤリ又はハットとした経験があるとされる確率的な経験則です。
同様にビジネスの失敗発生確率として応用される例では、1件の大失敗の裏には、29件の顧客からのクレームで失敗が露見しており、その背後には300件の「しまった」と認識しても外部の苦情がないため隠蔽や放置されたクレームが存在すると言うものです。
不満を持つお客様の96%は企業に何も言わないデータがあります。つまり、1:29:300の法則における29のクレームは不満を持つお客様の僅か4%が発するクレームに過ぎないのです。仮に29件のクレームが発生した場合では、不満を持つお客様は単純計算で725人ということになります。
このように、お客様はお店が失敗と認める以上に商品、サービスに対して不満を持っているわけです。そして、大多数の企業は、その29件しか対応しないようです。そのため、1件のクレームが露見する毎に、そのクレームと同じ内容の不満を持つお客様が25人発生することになります。

4:1の理論

事故が生じた場合の直接コスト(ロスタイム、直接クレームや医療費など)よりも間接コストの方が4倍多くなるハインリッヒの理論です。これは、会社経営にとって「安全予防」に対するコスト負担が結果的に安くつくことを示しています。

F.Eバードの法則(600:30:10:1)

米国損保会社在籍のF.Eバードも1969年にハインリッヒの法則を補完する法則を発表しています。こちらは、1の重大事故に10の軽傷事故、30の物損事故、600のニアミスがあるとしています。

接客技術の重要性

対面販売の接客は高度な技術で習得には、相当の修練と経験が必要とされ、本来は接客用語や詳細なマニュアルを覚えてできるような技ではないのです。昔は商人の笑顔が愛想笑いとして受け取られ、馴染みのお店以外は逆に警戒されるほどでした。
欧米人は敵意はないので、ご心配なくの意でユーモアある会話と握手、笑顔で初対面でも好感が持てるよう努力しています。これらの習慣は民族や宗教、言語などの違いがある多民族国家では、同国人であっても意思疎通が不十分であることがあり、誤解を招かないための生活の知恵から生まれたものと言われています。
一般に会話のセンスを磨くことや笑顔に映える歯の審美性を保つ意識が根強い欧米人はコミュニケーション能力が高く、しかも意識することなく最高の笑顔ができる人が多いので、相手方の不安感を払拭し、親近感を得やすい印象があるようです。
ところが、日本はこれらの訓練や習慣がなく、近年では接客技術を高く評価しない風潮さえあります。本来は業務知識や標準作業の手順化が目的であったのに、接客技術重視のマニュアルが多くなりました。
簡単にお客様の欲しいものを売ってはいけないと言われることがあります。お客様自身が何を求めているのか、何を解決したいのか、実際は分かってない場合が多いので、これらのニーズを満たすことから始めます。
ニーズとは、お客様の「何かを解決したい」「改善したい」「達成したい」という要求を言い、このニーズのないお客様はどんなに懸命にセールスをしても購入しようとは思わないものです。
また、個人の生活習慣や嗜好などの属性は違うので、画一的な応対でなく、個別応対があって当然です。例えば、ついで買いを誘う”○○もいかがでしょうか”と勧められるのが嫌な人もいますし、必ずしも気分が良くなるフレーズではありません。
この場合はお薦めの理由を説明した後に言うべき言葉なのです。マニュアルで定められた声かけが間に合わず、早口で聞き取れなかったり、お客様の背中に向かって話しかける場面に遭遇することさえあります。
声かけのパフォーマンスとして大きな声で”いらっしゃいませ”や”喜んで”とかの連呼はご来店のお客様に対する感謝の気持ちよりも店内の活気付けや店員同士に気合を入れることが主目的なのです。
これらの声かけは笑顔を添えて応対中のお客様に聞こえる程度で十分なのです。個別のお客様一人づつにおかけしてこそ意義があります。また、「○○でよろしかったでしょうか」や「○円からお預かりします」などの誤用は正しく教育することも大切です。

マニュアルの本質

接客マニュアルは換言すれば、ドラマの脚本であると言うことです。店内を舞台とした役者が販売員であり、毎日を脚本どおりに演じますが、単なるマニュアルどおりの演技はお客様が白けてしまうので、簡単な接客技術であっても公開はしないものです。
台詞のタイミングがずれたり、忘れたり、笑顔が消えたりするなどの応対があった瞬間、通常は意識しないはずのお客様が違和感を持ち、この応対は演技であることを再認識します。お客様は接客基本マニュアルに基づく演技より、人間性を見ているのです。
この結果、従来の応対すべてがお世辞や単なるご機嫌取りでないかと不快感を抱くことになります。演技であるが故に見抜かれるわけです。いつまでも演技することに集中するより、本性で応対する方がずっと人間的ではないかと思います。

お客様の潜在意識

お客様は他人と同等に扱って欲しい、他人より厚遇して欲しいと言う潜在意識が常在します。苦情を呈し、注意して下さるお客様はお店にとって非常にありがたい存在です。再度の来店意思があるからこそ、次回を意識して言われるからです。
本当にお怒りであれば、二度と来店しないと心に決め、何も言わずに悪口を広めます。これはハインリッヒの法則に裏付けされた重要な情報だと考えるべきです。商品やサイトのコンテンツで差別化を図るといっても、限界があります。”心から尽す”ことがお客様の心を動かし、口コミなどでお客様をお連れするリピーターになるわけです。
舞台演技は録画でないのでやり直しができません。ベテラン俳優ともなれば、観客に気づかれることなく、アドリブで切り抜けるそうです。これも豊富な経験があればこその技と言えるのです。
接客マニュアルは短期間で人的サービスの均質化を目的とするツールとして認識されているようですが、最低水準の接客技術を効率的に取得する応急措置であることをご理解ください。高度な対話能力や観察能力を要する接客技術はリピーター確保や顧客満足に大きな影響を及ぼします。
接客マニュアルは考えて行動するより、頭で覚えた反射的な行動を画一的に求めるので、場面に合わない場合や不測の事態に適応できないことがあります。マニュアルの究極的な目的は必要とする行動目的に遡り、本質(心)を理解することにあります。
本質は詳細なマニュアルではなく、家訓や理念などの経営哲学を意味し、お店の存続基盤であるお客様目線からの行動指針が最優先されます。換言するとお客様が満足する「考え方を習慣づける」と言うことです。
目的を直接達成する行動ではなく、考え方を毎朝の歯磨きと同様に習慣付けます。その結果、自主的な判断力が自然と身に付くことで解決方法の選択肢も増え、臨機応変に対処できるのです。しかも決して忘れないので、常日頃からお客様に対する感謝の心を具現化するよう心掛ければ、大きな失敗はありません。
ただし、これらの習得はマニュアル作成や研修などで一朝一夕に身に付くものではありません。社風や教育システム、自発的に醸成されるロイヤルティーなどが必要で時間と経験を要するからこそ、簡単に模倣さえできないのです。
達人となると、お客様のご様子から購買意欲や興味の程度を推し量ることができます。昔のデパートや老舗専門店のベテラン店員の多くはそうでしたが、モノが売れない時代は接客に余裕がなく、心地良いお買物ができないようです。

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