減価償却費の計算

建物、機械装置、器具備品、車両運搬具などの固定資産は経年劣化によって価値が減少します。これを減価償却資産と言い、経年劣化しない土地や骨董美術品などは減価償却資産に該当しません。
減価償却資産は取得価格の備忘価格を残し、資産の使用可能期間で分割して経費処理します。使用可能期間が1年未満又は取得金額が10万円未満の場合は全額が業務に使用した年の経費になります。
10万円以上20万円未満の減価償却資産はその資産の全部又は特定の一部を一括した減価償却資産の取得合計価額の3分の1相当金額を業務に使用した年以後の3年間で必要経費にすることができます。
中小企業者の青色申告者が平成29年3月31日までに30万円未満の減価償却資産を取得した場合、その取得価額の全額をその業務に使用した年分の必要経費に算入できる特例があります。
開始事業年度の取得価額の合計額が300万円までに限定されてますが、消費税を取得価格に含めるかどうかは、課税事業者の税込又は税抜の経理方式によります。課税事業者が税込経理方式や免税事業者の場合は税込価格で判定します。

商業・サービス業・農林水産産業活性化税制

次の要件を満たし、平成25年4月1日から平成29年3月31日までに設備を取得した場合は使用開始年度の減価償却費を30%増額できる特別償却や7%税額控除の適用が受けられます。

  1. 青色申告書を提出する中小企業者等であること
  2. 経営革新等支援機関等からの経営改善に関する指導及び助言を受けていること
  3. 「指導及び助言を受けたことを明らかにする書類」に税制措置の対象となる設備が記載されていること
  4. 設備を実際に取得をし、商業・サービス業等の事業に使用していること

減価償却費の計算法

平成24年4月1日以後取得の減価償却資産は次の方法で減価償却費を算出し、計算基礎の減価償却率や改定償却率及び保証率は耐用年数省令別表十を使用します。

定額法

定額法の償却率を乗じた均等価額を毎年の償却費にします。
■減価償却費=取得価額×定額法の償却率×(使用月数÷12月)

定率法

平成24年4月1日以降に開始する事業年度からは定額法の償却率を2.0倍した率を償却率とする200%定率法で償却費を計算しますので、耐用年数2年の最大償却率は1.000になり、1年間で経費に計上できます。
■減価償却費=期首未償却残高×200%定率法の償却率×(使用月数÷12月)
この方法で算出した額が一定の金額を下回る年から改定償却率に切替えますので、この一定の金額が最低保証の償却費になるわけです。
つまり、法定耐用年数から経過年数を控除した期間内で、期首の帳簿価額を均等償却すると仮定した場合の償却額を意味します。

        期首帳簿価額
一定の金額=─────────────
      (法定耐用年数-経過年数)

面倒なこれらの計算はKeisanのツールを利用すると簡単に算出することができます。
■新定率法による減価償却費の計算式

  1. 償却保証額=取得価額×保証率
  2. 償却額=期首帳簿価額×償却率
  3. 償却額≧償却保証額であれば償却限度額=期首帳簿価額×償却率
  4. 償却額≦償却保証額であれば償却限度額=改定取得価額×改定償却率

なお、初年度の使用月数が1ヵ月に満たない場合は1ヵ月に切り上げます。

改定償却率の適用年度

資産の取得月が期首の場合、改定償却率に切替わる年度の目安は次のとおりです。
■法定耐用年数-(1÷改定償却率)+1(小数点以下を切捨て)
耐用年数9年の場合は9-(1÷0.250)+1=6の6年目から改定償却率に切替わります。

耐用年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
定額法 0.500 0.334 0.250 0.200 0.167 0.143 0.125 0.112 0.100
定率法 1.000 0.667 0.500 0.400 0.333 0.286 0.250 0.222 0.200
償却率 1.000 1.000 0.500 0.334 0.334 0.334 0.250 0.250
保証率 0.11089 0.12499 0.10800 0.09911 0.08680 0.07909 0.07126 0.06552

【事例】取得価額525,000円 法定耐用年数6年
定額法償却率0.167 200%定率法償却率0.333 保証率0.09911 改定償却率0.334

償却 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 償却費計 未償却残
旧定率法 218,925 127,633 74,410 43,381 30,325 30,325 524,999 1
新定率法 174,825 116,608 77,778 52,033 52,033 51,722 524,999 1
期首簿価 525,000 350,175 233,567 155,789 103,912 69,310

事例の場合、4年目の償却費51,877円が償却保証額の52,032円を下回るため、4年目以降の償却限度額は定額の52,033円になります。
新定率法は耐用年数経過後に備忘価額の1円を残す仕組みで、旧定率法に比べ、初期の償却費が大幅に減少する一方、資金回収が平準化し、その結果、キャッシュフローが安定する利点があります。

償却可能限度額

耐用年数経過時に1円の備忘価額が残るまで償却することができます。この備忘価額は事業目的で使用する限り、固定資産台帳に必ず記載し、勝手な省略はできません。
なお、平成19年3月31日以前取得の減価償却資産で、既に償却可能限度額まで償却した資産は翌事業年度以降5年間で備忘価額の1円を残し、均等償却します。

法定耐用年数の短縮特例制度

減価償却資産の未経過使用可能期間が法定耐用年数の未経過期間に比べて著しく短く、一定の事由に該当する場合は税務当局の承認を受けることにより、その資産の未経過使用可能期間を耐用年数として早期に償却することが認められる制度があります。

中古資産の減価償却法

中古資産の耐用年数は法定耐用年数をそのまま適用するわけではありません。この場合、取得後の使用可能年数を見積もって耐用年数とします。取得後の使用可能年数の見積りが困難な場合、大幅な改良がなければ次の算式で年数を計算します。
2年未満の場合は2年とし、1年未満の端数は切り捨てます。大幅な改良とは、中古資産の再取得価額の100分の50に相当する金額を超える改良を指しますが、この場合は耐用年数の見積りができないので、法定耐用年数を適用します。

  • 法定耐用年数の全部を経過した資産…法定耐用年数×20%=耐用年数
  • 法定耐用年数の一部を経過した資産…法定耐用年数-(経過年数×80%)=耐用年数

なお、償却率の端数処理は規則性がないので、「減価償却資産の償却率表」の償却率を使用します。

非事業用資産を業務の用に供した場合

自家用車を事業に転用した場合は償却基礎の未償却残高を次の式で計算します。
■当初の取得価額-法定耐用年数×1.5倍に相当する年数で計算した償却累計額
【事例】
2008年3月30日購入の35万円のパソコンを2010年5月16日に事業へ転用(27ヶ月)

事業用に転用した場合の仕訳事例 350,000×0.166×27/12=130,725円
350,000-130,725=219,275円
4年-(2.25年×80%)=2.2年
219,275×0.5×8/12月=73,091円
07/05/16 器具備品 219,275 事業主借 219,275
07/12/31 減価償却費 73,091 器具備品 73,091

事業主借は返済不要な店主の立替金や事業用預金利息などを指します。

資産を譲渡、処分した場合

年の中途で譲渡した資産はその年の譲渡月までの減価償却費の計算を省略でき、その年の減価償却費を差し引かない金額は譲渡所得の収入金額から差し引きます。
事業用の器具備品、車輌などを売却した場合の譲渡所得は事業所得と合わせ総合課税の対象になります。この譲渡所得は所有期間が5年を超える長期と所有期間が5年以内の短期に区分されます。
まず、資産売却した金額から取得費と譲渡費用を差引いて譲渡益(譲渡損)を算出し、この譲渡益から更に譲渡所得の特別控除を差し引きます。譲渡所得の特別控除額はその年の長期譲渡益と短期譲渡益の合計額に対して50万円です。
その年に短期と長期の譲渡益がある場合、最初に短期の譲渡益から特別控除の50万円を差し引きます。これらの譲渡益が50万円以下の場合は、その金額までしか控除できません。この特別控除額の差し引き後の金額が譲渡所得の金額になります。
短期譲渡所得は全額総合課税であり、長期譲渡所得の金額はその2分の1が課税対象とされますが、譲渡損のある場合は確定申告書に記載することで事業所得から控除することができます。
なお、年の中途で除却、滅失した資産はその年の処分月までの償却費計算を省略できます。
また、その年の減価償却費を差し引かない額を決算書に記載する場合は除却損として必要経費になります。


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