ネット通販の知識

ネット通販の背景と意義

ネットショップの出店が急速に増大したのは、都市部を中心にADSLやCATVなどが普及し始めた1998年頃からと言われてます。この傾向はダイレクトマーケティングの必要性を高めたデフレ環境や政策も追い風になりましたが、当初は理解や信用度が乏しく、過剰なITブームの出店に起因する廃業撤退が多かったようです。
ネットショップ開業初年の廃業率は約30%程度だと言われます。これは開業の成功者が多くなったわけでなく、単に閉鎖するサイトが減少している面もあるからです。
この背景はプロバイダー業者とレンタルサーバ業者の競争激化やアフィリエイトなどの普及で運営コストが劇的に低下した結果、売れなくても大幅な赤字にならない体質に変化し、閉鎖の必要性も特にないと考えるネットショップが多くなったからだと考えられています。
立地産業と呼ばれるほど立地条件に左右される小売業態でも、高齢者の生鮮三品、医薬品などの平均徒歩移動距離は取扱店舗を中心に半径1km程度とされていますが、インターネットによる通信販売の評価が高まる背景には、出店コストの低さや宅配の発展に伴うドア・ツー・ドアの実現が高齢化社会や過疎地の買い物難民に対応できる利点があるからです。
また、総務省の平成23年家計調査報告によると60歳以上の消費支出額は全体の44%以上を占め、高齢化への対応は商材面でも避けられず、基礎的支出の割合は消費支出に占める食料や保健医療などが他の年齢階級に比べて高い70歳以上の世帯が70.3%、60~69歳の世帯で62.8%と高くなっています。
一方、選択的支出の割合は消費支出に占める教育費などが他の年齢階級に比べて高い40~49歳の世帯が54.2%、50~59歳の世帯は50.3%、30~39歳の世帯で49.5%となっています。
なお、日本の電子商取引市場の実態と日本、米国、中国の3カ国間の越境電子商取引の市場規模及び利用実態を調査した経産省の平成23年度我が国情報経済社会における基盤整備によれば、全体傾向のBtoCのEC市場規模は8.5兆円の前年比8.6%増であり、EC化率についても約2.8%、前年比約0.3ポイント増となっています。
2011年は殆どの業種で前年に比べ市場規模が増加し、特に小売業のうち、医薬化粧品、衣類・アクセサリー、食料品などは対前年比20%以上の伸びを示すともに、全業種において、EC化率が上昇しています。
最新の通信利用動向調査の結果概要は総務省情報通信統計データベースで公開されております。

ネット通販成長の要因

インターネット技術の向上

HTMLの標準化及びネット関連ソフトツールや高機能パソコンや周辺機器のハード面などが向上しています。

ネット通信の高速化と接続料の低下と定額化

ブロードバンド料金の低下に伴い、ダイヤルアップ回線のナローバンドが減少し、常時接続定額制のDSLCATVFTTH無線LANなどへの普及が拡大し、世帯のブロードバンド化率は81.9%を占める状況です。

特定商取引法などの改正、プロバイダ責任、個人情報保護などの法整備

このようなネット通販を取り巻く関連法律の整備がほぼ一段落したことから、今後は業界全体の信頼感醸成が課題となります。

配送システムの合理化とインフラ整備

定時定路線の巡回配送システムによって時間的、物理的懸架のあった消費者との距離が縮まっています。バーコードで管理される位置情報をリアルタイムで把握できるなど、合理化と情報化が進展しています。
また、正確性、安全性、迅速性の面で世界トップクラスの物流システムは道路網や住居表示法などのインフラ基盤が整備されたことも大きな要因ですが、冷蔵車や冷凍車の使い分けによる食品の保存配送技術の向上も一因として挙げられ、新規のネット通販店の増大はこれら要因のシナジー効果によるものとされます。

ネット通販の特質と利点

ネット通販の特質

小規模事業者がインターネットを利用した通信販売やこれらの支援サービス提供は比較的低額の初期投資で短期間に大手企業と比肩できる売上と信用を得ることができる唯一の手段や機会として重要性が高まっていますが、ネットショップでモノやサービスが売れるのは、ネット通販の利点を最大限利用しているからです。
これらの利点を応用し、来店者に認知、理解、共感、応援して頂けるかどうかが成功のポイントです。
ネット通販の宿命として、実店舗に比べ一度の売買にかかる手間が非常にかかるものですが、梱包も実店舗と比較するとより丁寧に行う必要があります。
お客様は「ネットだから安いだろう」と思い込んでいるので、価格競争が全国レベルになります。本格的なネット通販は従業員も必要であり、これが利益圧迫の最大要因となるので、対策が必要です。

消費者の利点

  1. 24時間対応のため時間的制約がなく、何時でも注文できる
  2. 実店舗を見て回る時間と費用が節約できる
  3. 最新の商品情報や価格に関するサイトを利用して他店と簡単に比較検討できる
  4. 少額の商品であっても代金後払いの場合、手許にお金がなくても購入できる
  5. キーワードで商品を検索できるので、店名や電話番号などを覚える必要がない
  6. 入手困難な限定的な商品も会員登録や予約メールなどで情報が提供される
  7. 店員との会話や質問が苦手だと感じる人も気軽に利用できる
  8. 周知の商品で配達が必要なものはネット通販を利用するのが楽である
  9. ネットの方が情報量が多い場合がある

消費者の5大不安

  1. 購入前に実物の商品を確認できない(67.7%)
  2. 購入時に住所やクレジットカード番号などの個人情報を送信する(40.2%)
  3. 購入後のアフターサービス(返品、交換、保証、故障対応等)が行われるかどうかわからない(21.8%)
  4. 問い合わせやトラブルに対し、事業者が適切に対処してくれるかどうかわからない(20.5%)
  5. 受取の際、自宅などで配達まで待機しなくてはならない(18.2%)

ネット通販店の利点

  1. 通常は折り込むチラシが不要でコストと手間を削減した広告宣伝が可能である
  2. 小売業の成功を左右する立地場所にこだわる必要がない
  3. 売上は実店舗ほど天候や曜日に左右されず、売出日の制約がない
  4. 実店舗で必要な目玉商品は1品でも、工夫次第でアクセス増が期待できる
  5. 資金不足でもアフィリエイトやドロップシッピングで豊富な品揃えが可能である
  6. 実物商品の陳列は不要なため、万引きや劣化を防止することができる
  7. 販売経路の多角化により、新規顧客の開拓が期待できる
  8. 在庫管理機能で欠品を自動的に把握し、販売機会の喪失を最小限に止められる
  9. 保管場所やコスト増加を心配することなく、取扱商品を増やすことができる
  10. 顧客満足度が高い場合はブックマークされやすく、リピーターの確率が高まる
  11. 自動収集した住所、氏名、メルアド、注文日、品目、金額などのデータを活用
  12. 訪問者のアクセス情報が記録されるので、これらを利用した販促活動ができる

ネット通販の顧客行動

ネット通販の顧客心理

消費者がネットショップの買物かごを操作する際に重視するポイントは次の3点です。

  • 安全かつ信頼できる代金支払方法が提供されている
  • セキュリティ対策が行われている
  • 商品の選択や注文フォームの入力手順がわかりやすい

操作が難しい感じると途中で断念するのは当然です。これは未知の出来事に畏怖を抱いたり、不安を感じたりすることが人間の本能であると言えるからです。買物かごの操作中断はアクセス解析で把握できますが、一般に30%前後と言われます。
実店舗と違い、何故ネットショップではそうなるのでしょうか。サイトの操作性、セキュリティ、決済、配送など多くの要因が考えられますが、ネットショッピングの初心者側に実存性と信頼性が併存しない仮想店舗であるという本質的な問題があります。
インターネットは革新的な通信技術でありながら、顔と顔や声と声との同時進行が省略される結果、ブラックボックス化したシステムとして無意識に畏怖と不安を抱えた心理状態になります。
ネットショップに信用がなければ、最初から深層心理的に不安定な状態なので、ちょっとしたことで大きな不安を感じ、途中離脱する場合が多く次の例は全て購買萎縮の動機となる可能性があると考えられます。

  1. 注文画面の最初からクレジットカードの入力を促している
  2. カートに入るなり会員登録を必要としている
  3. 操作手順がわかりにくい構造になっている
  4. 必須又は任意を問わず、購入と無関係の項目が多い

ネット通販の購買行動

  • AIDMA理論
    人は買いたいと思うから広告を見るわけではなく、広告を見て買いたいと思う人を対象にします。無意識に入った情報で思考や欲望が刺激され、感情を突き動かされて行動する誘導的な消費者行動です。
    Attention(注意)
    Interest(関心)
    Desire(欲求)
    Memory(記憶)
    Action(行動)という過程の頭文字で示している。

Attentionが認知段階とされるので、この段階でお客様の注意を引くことができれば、その商品に関心を寄せてもらうことができます。行動(購買)までの段階に結び付けるには、最初のインパクトが大きく左右し、短時間での完了を衝動買いと言います。
また、次のような記憶の仕組みを理解することも大切です。

  1. 記銘 五感をフル活用して刷り込み、定着させる
  2. 保存 情報を関連づけて整理しやすくする
  3. 再生 関連する情報と一緒に思い出させる
  • AISAS理論
    電通の登録商標であるAISAS理論はサイトを見たから買いたいと思うわけではなく、買いたいと思うから積極的にサイトを検索する人を対象にします。AIDMA理論から進化したネット通販に適合する購買行動で次の過程の頭文字で示します。
    Attention(注意)
    Interest(関心)
    Search(検索)
    Action(行動)
    Share(共有)

この理論は購買に際し、吟味したり考慮する「記憶」がない反面、「検索」と「情報共有」が購入の決定要因として重視される過程に特徴がありますが、SAの間にCompareExaminationが加えられたAISCEASと称されることもあります。
なお、女性特有の視点から購買動機が生ずることがあります。これらは感情に起因し、価格やブランドに限らず、商品やサービス全般にも共通する次の傾向があるので、上記の理論に感情を考慮する必要があります。

  1. Adoration 商品自体や商品の所有(使用)者に憧れる
  2. Fancy 所有する自分や使用場面を思い浮かべる
  3. Notice 所有(使用)する商品に気づいて欲しい
  4. Envy 所有(使用)する自分を羨ましく思って欲しい

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